この愛を欺けるの

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田口淳之介というアイドル

トピック「田口淳之介」について

Xデーである3月31日、田口くんの最後のブログを読み、「同じ空の下にいるよ」というなんとも優しい、しかし確かな別離を意味する悲しいメッセージを受け取った。アイドルを辞めていく者として、これ以上のコメントがあるだろうかと感動さえした。

 

4月1日になった。田口淳之介の名前はジャニーズWEBから削除され、KAT-TUNは本当に3人になった。

その日、とあるトレーニングジムのTwitterアカウントで、田口くんの写真が公開された。そこには、最後の姿となったMステ生放送で見せた姿とほとんどなにも変わりない田口くんが、今までよりずいぶん小さなカメラに向かって微笑んでいた。

けれど、その写真の田口くんの笑顔には少し違和感を覚えた。

今まで見てきた、特に脱退を発表してから私たちに見せていた表情とは少し、違う気がする。それもそうだ。これは雑誌やテレビじゃない。誰かにお金を貰って撮られているわけではないのだから、そんなに完璧に笑う必要なんかない。作り込みのない、とても自然な、ある意味で未完成な、私たちとなにも変わらないただの人になった田口淳之介の笑顔だった。

 

今まで、「アイドル田口淳之介」が見せてきた笑顔の何と完璧だったことか。

この写真はそうではない。プライベートでも交流があるのだという撮影者との、非常に自然な、わざとらしくない普通の微笑みだ。(田口くんが今後芸能活動を行うか否かはまだわからないが、)少なくともこの写真で、彼は芸能人として笑う必要がない。

「アイドルを終えた田口くん」を見て、いっそう「アイドル田口淳之介」への尊敬を深めるよりほかにない。彼のトレードマークの笑顔は、やっぱりちゃんとプロ意識や仕事への意欲から創られた商品だったのだ。私はそういうアイドルの商品性こそが素晴らしいと思うし、そうした素晴らしい商品を生産できるアイドルを人間として本当に尊敬する。

ある意味で、彼はアイドルを辞めることで、自らのアイドル性を証明することとなった。それこそが田口くんがいかにアイドルという職業を完璧に全うしていたかを物語っていると思う。「アイドルという職業を重荷に感じる」なんて、実際にはそんな生半可なものではなかっただろう。

彼は最後の一瞬までアイドルを走りきった。

 

田口くん、本当にお疲れさまでした。

あなたのこと、あなたがKAT-TUNだったこと、絶対に忘れません。