この愛を欺けるの

にっちもさっちもどうにもこうにもなんでもあり

奇跡のユニット〝舞祭組〟が成功した理由

2018年は、〝舞祭組〟というKis-My-Ft2からの派生ユニットによる全国ホールツアーが行われた。そのラストに合わせたようなタイミングで発表された、彼ら4人による主演ドラマが、明日最終回を迎える。聞くところによると、深夜帯には異例の視聴率を叩きだしているらしい。

結成から5年。1グループの企画ユニットとして、ここまで大きく発展し、グループ本体に貢献したユニットが他にあっただろうか。舞祭組というプロジェクトは今や、知名度といい活動状況といい、完全に成功を収めたと言っていいと思う。

 

舞祭組の成功は、従来と異なる価値観を打ち出すという大きな賭けと、いくつもの奇跡の合致と、キスマイ7人全員のポテンシャルの高さがなければ実現しなかった。

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舞祭組は奇跡のユニットだその奇跡がいかにして起きたのか、重要な要素を挙げてみた。

 

4人全員、スーツがめちゃくちゃ似合った

スーツって言っても、舞祭組が着てるあのスーツです。世の中で一番ダサい、新人社員風のグレースーツ。舞祭組がカッコ良すぎてみんな忘れてると思うけど、あれ、世の中のスーツでは一番ダサいやつだと思う。スーツという形がかなり似合う身体でないと、あのグレーのダサさを拭えなかったはず。

アイドルが着るスーツって普通は衣装だから、絶対その子の体型に合ったものを選んでるんです。ジャニーズだと一般的なメンズスーツ型より、レディーススーツに近いくびれた形のものの方が似合う子が結構いる。その一番の例が藤ヶ谷くんで、肩回りがどうしても余っちゃうんですね。キスマイ7人でスーツ衣装でも、藤ヶ谷くんのは腰にかなり切り替えが入ってたり、形が工夫されてることが多い。

舞祭組のスーツのタグが番組でチラッと見えたことがあるんだけど、大量生産のもので、オーダーメイドでもなんでもなかった。ストレッチゼロの素材で、あの人たちガシガシ踊ってるんですよ。すごい。

結成時は22歳~27歳、現在では27歳~32歳の舞祭組(時の流れを感じる)。アイドルとして決して若いほうではないけど、お腹周りがもたついたり、オジサン体型に近づいたりということが一切ない。いつでも全員が、華奢で細身なアイドル体型を完全にキープしている。これも当たり前のことじゃないと思う。

ちなみに、キスマイのフロントはこの一般的メンズスーツ型が揃ってあんまり似合わない。キスマイの衣装が前列・後列で違うのは格差から始まったことだけど、似合う形の違いがピッタリ当てはまって、全員が一番合う形を着ている。これも普通に奇跡だよ。

 

キスマイとの合致

キスマイは「KAT-TUNの弟分」という触れ込みだったが、KAT-TUNとの一番の違いは、当初まだJrだったことも相まった壮絶な渇望感、必死感だろう。KAT-TUNは、ひたすらチャラくて余裕そうなダルそうな雰囲気がカッコ良かった。一方のキスマイは、とにかく貪欲で野心が強く、時にはみっともないほどの必死さが持ち味だと思う。泥臭くてめちゃくちゃに必死で、目的のためなら手段など選んでいられない。それは代表曲FIRE BEATにも表れている。

〝ぶさいく〟なんて名前を冠されてもへこたれないアイドルグループなんて、後にも先にもキスマイしかいないだろう。自分たちの野心のためにどんなことでもやる。とはいえ当初はメンバー個々に葛藤もあったらしいが、そんなことさえ割り切って〝舞祭組〟を常にやり切ってきた。あらゆるスタジオの床を這いずり回ってきた(物理)。

また、デビュー曲の「棚からぼたもち」は中居くんによる作曲だが、途中にカッコいいラップパートがあったり、勢いのある曲調ながらどこかマイナーな響きを持っていて、楽曲として「FIRE BEAT」のような、キスマイっぽさがあるのだ。違う歌詞でキスマイの曲として歌ってもおかしくなかったかもしれない。

 

〝後ろの4人〟なのに見応えがある、キスマイのパフォーマンスレベルの高さ

考えてみてほしい。グループのうち、人気で主力の半数を抜かして、後列だけでパフォーマンスをするということを。

そりゃもちろん、4人の中にも歌の上手いメンバーも、ダンスの上手いメンバーもいる。けどそもそもグループは普段、その人数で歌声や迫力を支えている。普段の半分の人数で、シングル曲として歌番組でパフォーマンスする経験は、本人たちにとっても凄い経験だったに違いない。しかも、完全生歌だ。振り付けもガシガシ踊っている。

いつもの半数でのパフォーマンスを見事完成させたことは、舞祭組の成功には欠かせない要素だっただろう。これを支えたのは間違いなく、千賀くん・二階堂くんのニカ千シンメだ。キスマイで一番ダンスの上手い千賀くん、ハスキーで色気のある歌声の二階堂くん。そして、宮田くんの基本に忠実な歌とダンスは、舞祭組のグループとしての説得力を支えている。〝後ろの4人〟にも関わらず、このレベルのメンバーが揃っていること自体、キスマイのレベルの高さを物語っている。

舞祭組4人にキメキメのダンス、聴き応えのある歌があったからこそ、横尾さんのあの破壊的な歌が活きた。それさえ武器に出来たのは、基本的なパフォーマンスのレベルが高かったからにほかならない。

 

横尾渉という掟破りの存在

ごめん自担だから語らせて。だって、普通います???グループにあんな歌下手でダンスぎこちなくて喋りも下手な人っています???

これね、横尾さんがすごいのももちろんだけど、キスマイの他の子がすごいんですよ。あれほどパフォーマンス上戦力にならないメンバーを、結成から約8年、ひたすら抱えてきたんですよ。もちろん横尾さんが人間関係に果たしている役割を知っているので、一概にそれだけでは語れないけど。パフォーマンスを構成するのも大変だったろう。

それが舞祭組の1stシングル「棚からぼたもち」の披露後、キスマイの下支えや脇役に徹するように生きてきた彼は、一夜にして舞祭組の主人公になった。舞祭組は、横尾さんのシンデレラストーリーの機能も果たしたのだ。だからファンからも根強く愛されるユニットになった。

そして彼の存在こそが、舞祭組を一発屋の企画もので終わらない、息の長いコンテンツに押し上げたんだと思っている。「キラキラアイドル」という固定観念から、「必死な、泥臭いカッコよさ」という価値観の転換、これが舞祭組のテーマでもある。価値観の転換を示したからこそ、幅広い客層に支持されることになったのだ。その理念を体現しているのが、横尾さんの歌だ。「歌が上手いほうがいい」という固定的な価値観に対して、「下手だからこそ面白く、芸として成り立つ」という新しい価値を創り出した。掟破りの舞祭組という企画は、横尾さんなくして絶対に成り立たなかったと断言できる。

 

UTAGEのヒット

舞祭組について語るとき、UTAGEという番組を抜きにしては語れない。UTAGEは2014年4月~2015年9月に放送されていたTBSの音楽バラエティだ。中居くんがMCで、舞祭組がレギュラー出演していた。

ファンはあれこれくだらない野次を飛ばす不届き者も居たが、彼ら4人にとって、これほど貴重な経験はない。毎週のように歌を披露し、中居くんとの掛け合いに応え、番組を作っていく。レギュラーが舞祭組のみ(結果的にケミストリーの川畑さんもほぼレギュラーだったけど)だし、中居くんにとって番組中唯一の後輩とあり、中居くんは4人を本当に容赦なくいじったし、球を投げたし、オチの役割を全面的に舞祭組に求めた。こんな環境に、デビューから3年目で出会えた彼らは本当にラッキーだ。逆に言えば、それがキスマイの力でもあった。

あまりにも4人の飲みこみが良いので、一時期はフロントより舞祭組4人のほうが芸能人らしくなってしまった時期すらあった。でも、フロントも一瞬にして巻き返してきた。このフロント・舞祭組という対立構造は、相乗効果でキスマイの芸能人としてのスキルを底上げした。

レギュラー放送を終えた今でも、UTAGEは特番期のたびにゴールデン特番が放送される、TBSの主力商品のひとつになった。前回の放送では視聴率が高く、次回放送を早く作れと上層部からプレッシャーすら掛かったらしい。そのおかげで、私が周りの人に横尾担であることを話せば、かなりの確率で「歌下手な子でしょ!」と認知されている。自担が周りに知られていることほど、嬉しいことはない。

 

フロント3人が、並行して活躍し続けた

舞祭組は企画もので、リリースのペースも遅いからか、リリースするとなると、場合によってはキスマイよりも歌番組に出る。そうでなくても、舞祭組の4人はキスマイでの露出+舞祭組の活動がある。その上、UTAGEやプレバトなどバラエティへの出演もあった。

さっきも書いたように、明らかにフロント3人よりも、舞祭組のほうが露出が多い時期すらあった。それを乗り越えて、ガヤ、キタ、タマの3人は、今でも舞祭組に比べて高いタレント力と知名度(日経エンタテイメントのタレントパワーランキングを参照)を保っている。キスマイ全員、1人残らず、ひとつひとつの仕事を確実に次に繋げてきたからに他ならない。

自分たちが〝舞祭組〟の名を背負ったからには、キスマイの顔である3人に跳ねてもらわなければ困る。その思い、状況はフロントも相当に感じていたようで、藤ヶ谷くんが「俺、カッコよくいなきゃいけないんだなと思った」(I SCREAM特典映像)と後に語っている。〝舞祭組よりカッコいい3人〟〝キスマイの前〟。3人にとってもそれは、相当に重い看板だっただろう。それでも3人は、絶対に弱音を吐かず、弱みを見せず、カッコいい3人を貫いて、頑張ってくれた。もし途中でタレントパワーが逆転するようなことがあれば、舞祭組という企画はここまで長く続けられなかっただろう。ファンとして、3人には頭が上がらない。

 

キスマイというグループの結束力

グループの半数を別ユニットとして、コンサートで披露するだけでなく、テレビにも出て活動するということは、グループを物理的に分断状態にすることでもある。さらに上に書いたように、〝泥臭く一生懸命な舞祭組〟と〝カッコよくてクールな3人〟という色分けが強制的に敷かれたようなものだ。別々の価値観を同じグループに内包することは、もちろんグループの強みでもあるけど、そうなるためにはまず、違う価値観を抱えるだけのグループの強固な結束が必要だった。

舞祭組が結成した2013年、キスマイはデビュー丸2年、やっと3年目に入ったところだった。普通のデビュー3年目のグループだったら、ここまで大きな分断が訪れたとき、場合によっては空中分解してしまうことも有り得たと思う。

キスマイは、デビュー前にグループとして約7年活動した経験がある。プライベートでも強固な繋がりがある組み合わせがいる。北山くんと二階堂くん、横尾さんと藤ヶ谷くん、宮田くんと玉森くん、そう、舞祭組とフロントに跨った人間関係が強かったのだ。これも奇跡と言っていいだろう。最年少の千賀くんは二階堂くんと、シンメというキスマイにおける最も重要な繋がりを持っているし、最年少としてフロントの藤北、舞祭組の横尾さんというお兄ちゃん組3人から愛される存在である。

これだけ強固な結束力を、デビュー3年目にして持っていたという点も、舞祭組というプロジェクトを可能にした重要な要素だっただろう。

 

舞祭組がすごいユニット=キスマイがすごいグループ

舞祭組の成功に必要だった様々な要素は、キスマイがすごいグループだからに違いない。キスマイのグループとしての完成度の高さ、自意識と野心の強さ、ギラギラした褪

せることのない輝き。舞祭組という企画の成功は、キスマイのすごさを証明していると思う。大好きなグループを、別の角度から切り取った面を見られて、舞祭組担ってめちゃくちゃお得だと思う。

そんな舞祭組の初めてのコンサート、コンセプト通り必死で泥臭くて、コミック企画なのにコンサートとなるとまるでJrみたいにパフォーマンスを追及してきたあのステージ、映像で見たいな~~~。今日もエイベックスにメールを出します。