この愛を欺けるの

にっちもさっちもどうにもこうにもなんでもあり

キスマイのすごい話・ずっと7人編

 今年、強くてギラギラでセクシーで必死で闘うキスマイを見せてくれて、私たちキスマイ担を最高に湧かせたコンサート、2017MUSIC COLLOSEUM。

 その興奮と感動とギラギラをお茶の間にいながら再現してくれて、さらに見るだけで何日もかかるような膨大かつツボを押さえたPSYCHOな特典映像までつけてくれるという全部で2万ぐらいする実質無料のコンテンツが、来年1/31に発売される。

 全部買うと2万ぐらいするけど、本編は擦り切れるほど見るし、エイベたんのはからいで特典映像が充実しすぎていて、正直全部を噛み砕くのに1ヶ月は優にかかるようなシロモノなので実質無料である。しかも今回はVRとかいう先端技術でもって、コンサートをステージの真ん中から見られる永遠のチケットがついてるらしい。もう実質無料どころじゃない。

 

 そんなキスマイのDVDなんだけど、今作でキスマイは通算8枚目のコンサートDVDをリリースすることになる。

 ちなみにキスマイ、今デビューから7年目。正味で言うと6年半経っている。

 

 デビュー年数よりもコンサート作品が多いグループって、意外とキスマイぐらいじゃないかなぁ。他のグループについてすべて厳密に知ってるわけじゃないので、なんとも言えないけど…。

 あ、KAT-TUNは多いな。確実に多い。やっぱりデビュー前のを出してると多くなるわけですね。

 関ジャニ∞も最近コンサートとっても多いけど、初期から数えるとどうなんだろ。

 

 なんにせよ珍しいことだと思うんですよね。コンサートDVDがデビュー年数超えてるのって。

 デビューから毎年ツアーなりコンサートなりがあったとして、DVDが出るのが半年から一年後までの間くらいだと、だいたいデビュー年数と全く同じになる。これを超えてるってことは、デビュー前からコンサートやっててそれが映像化してるか、一年間に2種類のコンサートをやってるかのどちらか。

 キスマイはこの条件では両方満たしてるんです。ただ、SNOW DOMEの約束コンと同年にやったGoodといくぜコンは特典映像扱いだったから、円盤としては1作品。DVD枚数を稼いだのはデビュー前のコンサートとなります。

 

 そしてもうひとつ。キスマイはこの8作品を、一貫して同じメンバーでリリースしている。

 これって実はすごいことだよね。ずっと7人でいるってことだから。誰1人欠けずにいられるって、当たり前じゃないから。 

 改めて考えると、KAT-TUNが6人で出したコンサート映像作品数をいつの間にか超えちゃったんだなぁ…。なんだか感慨深いような、感傷的なような。

 

 キスマイの〝オリジナルメンバー〟を7人とするか8人とするか、は、微妙なところだと思う。

 デビュー時をオリジナルとするなら、7人。しかしキスマイを語る上で、Jr時代は切っても切り離せないものだ。デビューと同時に組まれたグループと違って、Jr時代の活動期間もキスマイの歴史に完全に含まれている。

 となると、いつからがオリジナルのキスマイということになるんだろう。 

 Kis-My-Ft.というグループは2004年から存在するが、今とは約半数が違うメンバーだった。まっすーがいたり宮玉がまだいなかったり。兄組の人間関係は完全にここから始まってる。と思う。けど弟組はまだ出揃っていない。

 Kis-My-Ft2になった時、現在の7人が揃う。そこにもう1人いて、8人のグループだった。

 

 私は新規なので、彼のことを詳細に知ることはできない。

 知らないけど、当時のキスマイのバック仕事の多さと知名度(主にKAT-TUNデビューに伴う)、またかき集めた当時のインタビューでの発言なんかで見ている限り、彼はキスマイが固まりきらないうちに辞めたわけじゃない。

 ある程度以上、明瞭に〝メンバー〟という意識が自他共にあり、周囲からの認識もされた状態だったんじゃないか、と思う。その差を例えるなら、今で言うHi Hi JETの2016年と2017年の差というか。それを言ったら、当時を知る人から彼ははしみずクラスのメンバーだと言われて怒られそうだけど。

 

 そう、彼は今のHi Hi JETで言えばはしみず(橋本涼くん・井上瑞稀くん)ぐらい明確にメンバーだったと思うんだ。

 だって横尾さんのシンメだもん。

 それも前ユニットK.K.Kity時代からの、キスマイで最も歴史あるシンメだ。その関係ってきっと、「寄せ集め」と言われたキスマイの中では一番ぐらいに近い距離感だったんじゃないだろうか。

 

 では、オリジナルメンバーは8人なのか?

 結論から言うと、あくまで私個人の解釈になりますが、キスマイのオリジナルメンバーは7人で問題ないと思う。

 

 例えばNEWSは、4人になって以降は別物になったように見えるけど、ブランディングをかなり頑張ってやったお陰でそういうイメージになったに過ぎない。オリジナルメンバー、という言葉の定義ではやっぱり9人になる。確かに4人のNEWSはメンバーの脱退から始まるけれど、そこで経歴はリセットされないし、逆に言えば失われはしない。

 ではなぜ、キスマイのオリジナルメンバーは7人だと考えるのか?

 ここから少々長くなります。

 

 横尾さんのシンメだった彼は、確実にメンバーとして認識されたグループの輪っかから、自分の意思で脱出して別の道を選んだ。メンバーは喪失感を持ったし、彼を失ったことによる揺らぎも幾らかはあったと推測する。観測できないのでわからないけどね。

 彼の不在が横尾さんに及ぼした影響は少なくなかったはずだ。たぶん。

 キスマイは彼を失った。悲しみ、揺らぎ、そしてその後から新たな「7人のキスマイ」を作らなくてはならなかった。彼の空けた穴を、少なくともパフォーマンスにおいて埋める必要があった。それから7人は多くのオリジナル曲を歌い踊り、ローラー技術を磨き、場数を踏み経験を積んだ。

 

 そうして活動を続け、活躍の場を広げていくにあたって、キスマイの土台のところには、彼の不在が与えた影響がずっとあるような気がする。それも含めたキスマイっていう意味で、彼の存在は現在のキスマイの中にもあるんじゃないかなあと思うんだけど、ただそれは8人ということではない。

 これは本当に推測だけど。今の7人のキスマイにとって、「不在」というアイテムがそれなりに重要な要素になっているのではないだろうか。ファクターとして「不在である」という状態。空席の椅子のような、その穴。

 

 横尾担である私は、ときどき、その穴について考える。彼が空けた穴。

 パフォーマンス上はわからないが、人間関係に空いた穴って、結構塞がらないものだ。排他的なコミュニティほどその傾向は強い。まして、確実なくくりのあるグループならなおさらだと思う。

 その穴は塞がったんだろうか。

 

 今年のコンサートのどこかの公演のMCで、彼に言及したらしい。

 そんなこと、この10年で初めてなのでは…?一般人の友達、とか言ってることはあるのかもしれないけど、明確にわかる形での言及があったのには驚いた。

 

 キスマイを見ていると、ごくたまーに、その空いた椅子が見えるように感じることがある。

 普通なら、人間関係に空いた穴は組織を壊す原因になりやすい。なるべく早く塞ごうとするだろうし、それに失敗して崩壊する人間関係って世の中に溢れてる。でもキスマイは、7人の固定的で過密な関係の中に、何らかの大事なものとして空いた椅子を持っているように思う。

 むしろそこに空席があるからそこ、過酷なJr時代を超えて、デビュー後にも様々な苦難を乗り越え、今でも7人でいられてる。そんな感じ。

  「ずっと7人でいられたらいいな」なんて夢のような言葉を、結成から10年以上経った現在でも聞けるのは、それなのに、その言葉が心もとない祈りのような響きを持つのは、8個目の椅子によるものなのかもしれない。

 

 オリジナルメンバーは7人である、と言いたい理由の最大はこれだ。キスマイにとって今、彼の存在ではなく、「不在」が重要なパーツであると思うから。そこに穴が空いているという状態そのもの。

 NEWSが4人になってから築いた人間関係と、キスマイの7人のそれは根本的に違う。NEWSは穴を埋め、より関係を密接にした。普通はそうだ。だがキスマイは違う。キスマイはその穴ごとをキスマイにした。7人の人間関係を保つために、穴を空けたままにした。そう、その穴は今も塞がってはいないのだ。

 キスマイの穴は、組織を壊す奈落ではなく、空いた椅子となった。疲れた人がそこに腰かけたり、誰かと距離を置くために使ったり、時には客人を招いて座らせることさえある、持ち主の去った椅子。人間関係の泳ぎと言ってもいいかもしれない。

 

 つまり、8人であのままいたら、たぶん不器用で関係が密接すぎる彼らは、こんなに長く活動を続けられなかったかもしれないな、ということ。

 だってキスマイって、今見てる限りでもちょっと距離感がバカだし、近すぎて傷付け合ってるのをヒリヒリと感じる時なんかもあるし、基本的に不器用だしそのくせグループにすべてを賭けすぎてるし、普通に見てて心配になることが多い。そこにひとつ椅子でも置いてなかったら、簡単に瓦解しそうに見える瞬間さえある。心が折れる音も聞こえる時あるし。冗談じゃなくマジで。

 だからキスマイは、7人になるべくしてなった。運命的に。これ以上でもこれ以下でもない7人が、キスマイの正解なのではないかな、と思う。乱暴な言い方をすれば、キスマイは8人だった時からこうなる運命にあった。

 

 とはいえもちろん、映像を振り返ると誰よりも大人びて見える彼が、成長してどんなアイドルになっていたのか見てみたかった。これは本当に。青春アミーゴのバックで踊る彼ほんとにかっこいいよね。自担にシンメがいる世界も見てみたかったよ。横尾さんがシンメを組んでいる世界。叶わなかったもの。

 でも、彼がそちらの世界を選んでいたら、8作目のDVDは私たちの手に届かなかったのかもしれない。

 

  7人のメンバーに、8個の椅子。それがKis-My-Ft2

 2006年の〝オリジナルメンバー〟のまま10年以上活動を続けてきた、キスマイの弱さと強さ。

 

 後から遡って観察した推測では、何も確かなことなんてわからないと思います。リアルタイムで見てきた方にはどうか、個人的な妄想に過ぎないと見逃して頂きたいです。