この愛を欺けるの

応援スタンスや長文考察や好きなものの分析をするところ

キスマイ担だって自担を貶されたら嫌なんです。

私はKAT-TUNがとても好きだ。かつてファンだったし、今でもKAT-TUNというパフォーマンスもブランドも色褪せることなく素晴らしいと思っている。どんなに形が変わっても、KAT-TUNは私の青春だ。

けれども、そんな大好きなはずの「KAT-TUN」という文字が私のタイムラインに現れるとき、私は心に錘が乗ってしまう。それは、私のタイムライン上に、KAT-TUNを好き」と言うために、「それに比べてキスマイは」「キスマイも見習え」という趣旨の発言が多数並ぶからだ。

私のタイムラインに現れるKAT-TUNの話題のほとんどが、さりげなく一緒にキスマイを批判する内容のものとなっている。なぜ「KAT-TUNが好き」と素直にそれだけを言えないのだろう。なぜキスマイと比べたり、引き合いに出して非難したりしなければならないのだろう。

 

もちろん、KAT-TUNとキスマイでステージングの性質が違うことは知っている。見せ方、重視する点、レコード会社、売り方、感性、ファン、何もかもが違うふたつのグループなのだから、違って当たり前だと思う。そして私はどちらのコンサートも比べられないくらい好きだ。

エンタメに正解はない。どんなやり方にも良い点と悪い点があるし、何に重点を置くかによっても評価は変わる。それを一概「上手い」「下手」と決めつけることは、自分個人の趣味を絶対的評価と思い込んでいるに過ぎない。そうした決めつけのなかで、「KAT-TUNが正しい・良い」と思っている人からすると、キスマイは「圧倒的にステージングが下手」だと言われている。

何を基準にコンサートを見ているのか知らないが、その人がそう思うことは、まったく構わないし、変えられない。けれども、それをわざわざグループ名を出して否定してまで言う必要があるのだろうか?キスマイのステージングが好きな私は、はっきり言って不快でしかない。こうした発言をする人がたくさん目につくので、私はキスマイのファンになってから、KAT-TUNのファン・掛け持ちだというだけでその人に対して身構えるようになってしまった。

 

どうか自分の担当グループに置き換えて考えてみてほしい。自分が賛同しない基準によって、好きなグループが「良くない」「下手」と評価されているのを目にしたら、どんな気持ちになるだろうか?人をそんな気持ちにさせても、言わなくてはいけないことだろうか?ネットの片隅でそんなことを言ったところで、その人の言う「悪い点」が改善されるわけがない。

嫌ならその商品は買わなければいいだけだ。キスマイのステージングがどうしても気に入らないなら、見なければいい。そんなのは趣味で自由に見ているのであって、嫌なら降りればいい。ネット上にはキスマイを好きな人たちもいる。ありとあらゆる人がいるのがネットである。自分が嫌いだからと言って、自由に悪口を言って他人を不愉快にさせていいわけではない。その程度の配慮は、最低限のネットマナーではないだろうか。

 

キスマイを好きな人で、KAT-TUNのことは特にファンではなかったり、よく知らなかった人も、ベストアルバムが発売されるタイミングで、新たに興味を持ってCDを買う人が、1人でもいるかもしれない。そういう人がもし、上記のような「KAT-TUNは素晴らしい、それに引き替えキスマイは」というツイートを見かけたら、どう思うだろうか?

KAT-TUNのファンはキスマイが嫌いなんだ」と思ったら、キスマイのファンであるその人は、恐らく新たにKAT-TUNのCDを買うことはないと思う。そこを入り口に新たにKAT-TUNという商品を知る機会を失ってしまう。

こんな重要な時に、そうした不用意な発言をする一部のファンのせいで、1人の新たなファンを失ってしまうかもしれない。そのたった1人に、新たにCDを買わせることがどれだけ大変なことか。こんなにKAT-TUNのことを好きな私でも、好きなグループを貶されることはとても快くは思えない。そういうファンがKAT-TUNについていることは、KAT-TUNにとってもマイナスではないかと思う。

 

KAT-TUNのファンだけではない、これはすべてのグループ、すべての人に言えることだ。自分の発言が誰かを不愉快にさせることがないか、考えて発言するのがネットをやる上での最低限のルールだ。その程度のことも出来ないファンが何人もいるなんて、周囲から見たら敬遠されてしまう。

特にキスマイについては、「キスマイはdisっていい」という風潮がネット全体にあるように思う。ネットユーザー全体にそういう空気があるのはもう仕方ないことだが、同じジャニーズを好きな人がそういう趣旨の発言をすることは、非常に残念だ。それは自担グループの品位やイメージを落とす行為だし、なにより、誰だって贔屓目や思い出補正もあってそのグループを応援しているのに、それを丸ごと否定されるのは、とても不愉快なことだ

誰だって自担グループが一番だと思って、贔屓目で見て、それが絶対的に良いから他は何かが劣っていると内心思っているに決まってるじゃないか。けれどそんなことは個人の勝手な価値観で、他人に主張したりせず心に留めるべきことだ。自分の「好き」が最も正当だと主張しようとすることは、結局はアイドルの足を引っ張ることになる。

あなたの「好き」も正しくて、私の「好き」も正しい。そこに不正解はひとつもない。

 

だからどうか、「私の『好き』だけが正しい!そうでない『好き』は間違っている!」という発言を、無意識のうちに発信していないか、よく気を付けてほしい。それは見えないところで誰かを傷つけ、自分の大好きなアイドルに迷惑をかけているかもしれないのだ。

「私は○○が好き!」それだけでいいじゃないか。それ以上の主張をする必要なんてまったくない。あなたが一番好きなものが嫌いな人もいる、という現実とあなたが向き合って認める必要がないのだから、あなたも、あなたの嫌いなものの存在、それを好きな人がいることは許さなくてはならない。

 

こんなタイミングで、こんな内容でKAT-TUNについて言及するのはとても気が引けるし、怒りを感じるKAT-TUNファンの方もいると思う。それは本当に申し訳ないと思っている。けれど同時に、なぜキスマイがいつまでもKAT-TUNと比較されなければならないのかという怒りもある。私にとっては、KAT-TUNもキスマイも大好きで素敵なグループだ。どうかどちらも汚さないでほしい。