あなたを買う理由

キスマイと横尾渉中心にいろいろ。盲目かつ分析厨につき、アイドルに対して批判ナシ。褒めて称えてひれ伏すスタイル。

ジャニーズの「シンプル」なコンサートのすすめ

ジャニーズのコンサートは大きく2種類に大別できる。豪華絢爛な演出効果を駆使してより派手に見せることを重視したものと、シンプルにパフォーマンスを見せていくことに重点を置いたもの。要するに、セット・照明・舞台装置などの演出にどの程度凝っているかだ。よく見てみると、こうした演出の凝り方はグループによってかなり違っている。具体的に分けると、

・豪華絢爛・派手型・・・SMAPKinKi Kids、嵐、KAT-TUNなど。ほとんどのコンサートで大きな動きや高さのある壮大な装置・セットを使っているグループ。動くお立ち台やLEDパネルを使ったり、最新技術を用いることも多い。

・シンプル・簡素型・・・TOKIO関ジャニ∞Kis-My-Ft2ジャニーズWESTなど。あまり巨大なセットや大きな動きをする装置を使わないコンサートが多いグループ。しっかり照明を当てて歌や踊りを見せることが多い。

派手型のグループでは演出も含めてコンサートだとされていて、作品としての格や凄みを見せることが重要な要素として作られている。一方簡素型は、コンサートを歌やダンス、あるいはタレントそのものを見せるためのものだと考えているのだと思う。凄さ・格の高さよりも「見やすさ」「馴染みやすさ」のほうが強調され、むしろ敷居が高くならないよう配慮されたりする。

同じジャニーズでも、世界観が全く違うのだ。そしてこの考え方の違いによって、格式高い/馴染みやすい、と真逆のものを大事にしてステージを作る。

異なる価値観で作られたステージを、同じ視点で評価することはなかなか難しい。派手なコンサートに慣れた人なら、シンプルなコンサートを見ると物足りなく感じるだろう。逆にシンプルなコンサートを見慣れると、派手な演出が鬱陶しく感じてしまう。こうした価値観のズレは、その人が最初に見たジャニーズのコンサートの系統によって決まってくるのではないかと思う。

 

「東京ドームのコンサートは派手でなくては」という価値観がある。これは、派手型のグループがセットに大金をかけられる人気グループであり、得てして東京ドームでコンサートをしているためと思われる。反対に、東京ドームで公演している簡素型のグループは関ジャニ∞Kis-My-Ft2ぐらいだ。他にもシンプルな演出のコンサートはあるが、まだ安定して東京ドーム公演を行うまでにはなっていない。

東京ドーム公演、あるいはドームツアーともなると、派手な演出があると確かに壮観だ。ファンとしても売れた!という満足感があり、強い光や大装置によって非現実感も強く、大きな爆発力を生み出せる。せっかく大きな会場で公演するのだから、そこでしか出来ない演出を求める気持ちも理解できる。実際、簡素型のコンサートを行っているグループにも、シンプルなステージを狙って作っているグループと、予算の関係で派手に出来ないグループとがあるだろう。

 

キスマイは2014年のコンサートからセルフプロデュースとなり、この年からドームツアーを敢行した。だがコンサート演出として見ると、2013年以前のものよりもシンプルになっている。これは予算がどうというより、自分たちの意思でシンプルなステージを作っていると考えられる。

彼らがシンプルなコンサートを作る理由は、キスマイの原点がデビュー前にあるからではないかと思う。Jr.の主な見せ場は、少クラや舞台での仕事だ。またデビュー前に単独コンサートも行っているが、Jr.なので大がかりな装置は使えない。彼らはパフォーマンスをしっかり見せることで、ファンを獲得してきたのだ。

2014年、私は初めてキスマイの現場に入った。その時私はシンプルな演出のコンサートというものをあまり見たことがなかった。東京ドームに限定すれば初めてだ。2014Kis-My-Journeyは、ステージが動いたり、巨大なセットから登場したりしない。凝った照明で目を眩ますようなことも少ない。ローラースケートで外周を駆け回り、メンバーの表情やテンション、肌の質感までわかるような、シンプルなコンサートだった。

こうした簡素なコンサートでは、比較してメンバーが小さく見えるような大きな装置がない。すると意外なことに、東京ドームが狭く見える。横浜アリーナとさほど変わらないようにすら感じる。シンプルな演出でも、東京ドームを使いこなしていると感じるのはそのためだろう。ドーム全体を使った壮大な演出がなくても、東京ドームでの見せ方はあるんだと、目から鱗が落ちた。

 

着替えや転換の時間がとても短く、立て続けにどんどん曲を披露していく。繋ぎを工夫したりメドレーにするなどの変形はほとんど無いのだが、デビュー4年目でどの曲もまだ新鮮なのでまったく飽きがこなかった。演出は最低限という感じで、どの曲も歌や踊りをしっかり見せてくれる。私はキスマイの曲が好きなので、音楽としても楽しむことが出来るコンサートだと思った。

巨大な装置やセットが無いと、グループの特色がよりくっきりと見える。バンドやローラースケート、アクロバットなど特徴のあるグループなら、シンプルな演出のほうがより個性を際立たせることが出来る。

光で目眩まししたり、極端に暗くしたりというのも少ないので、メンバーを終始しっかり見ることが出来た。ダンスの細かいクセや小さなハプニング、メンバー一人一人の状態や表情、ちょっとした雰囲気の違いまで確認できる。

簡素な演出は、それしか出来ないのではない。キスマイは本編終盤のロック系の楽曲1曲のために、これでもかというほど特効花火を上げた。他にほとんど派手な演出を使っていない分、ポイントの大きな演出が映える。演出は演出のためにするのではなく、より良い作品、より良いアイドルを見せるためのものだと再確認した。

 

具体的にまとめると、シンプルなコンサートの良さは

  • メンバーとの距離が近い
  • 曲・歌・ダンスを楽しめる
  • グループの特色がより映える
  • アイドルをしっかり見ることが出来る
  • 演出にメリハリが出る

という感じだ。もちろんド派手で豪華絢爛なコンサートも特別感があって、アイドルがより輝いて見えるという良さがあるのだが、シンプルなコンサートにはまた別の良さがある。キスマイでそのことを認識してから、ジャニーズの楽しみ方が倍に広がったような気がする。

ジャニーズはどのグループを見ても楽しい。それはみんな違ってみんな良いからだ。様々なバランス、特性、相性を考えながらも、アイドルには色々なことにチャレンジしてみて欲しい。豪華絢爛なキスマイも見てみたいし、簡素なKAT-TUNも見てみたい。シンプルなSMAP、派手なTOKIO、きっとどっちも面白い。